将来そのものを志向しない

ひき続き、2018年内閣府調査からわかる日本の若者の閉塞感について、見ていきたいと思います。2番目は将来そのものをあまり志向していないのではないかという点についてです。

ここに挙げたグラフは将来の自分の姿に関する11項目の質問のうちの1つ。他に結婚している、子どもを育てている、幸せになっている、有名になっている、親を大切にしている、出世しているなどの項目がありますが、全てにおいて日本は最下位であり、11項目の平均では、日本39.8、韓国54.6、アメリカ67.8、イギリス64.3、ドイツ56.2、フランス62.5、スウェーデン58.7でした。

一つひとつの項目について言えば、グラフの棒の高さにはその国の経済事情、家庭をめぐる状況、その他の文化的な価値観などが関係してきますが、全ての項目において低いとなれば、自己の将来像そのものが弱いと考えることは無謀ではないでしょう。つまり将来そのものに置かれている気持ちや比重の割合が少ないと考えられます。こうした将来というものに対するものの見方、将来観、現在志向対未来志向についての研究がなされているので、それらをひも解いていきたいと思います。

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